こだいらぽんたの「基礎学力」勉強日記

基礎学力(高卒程度)を身につけたい。読書も旅もしたい。フットボールも見たい。

「7回読み」は、根気のある人には最強の勉強法だと思う。+258日目~260日目(世界史、数学Ⅱ、日本史)

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最近、山口真由さんの『東大首席が教える超速「7回読み」勉強法』(PHP文庫)を読んだ。自己啓発本はめったに読まない私だが、この本はそこそこ面白かった。文字通り「テキストを7回読めば定着する」という勉強法だが、誰でもできそうでなかなかできない。私のように、本に書き込みをしながら読まないと筋がわからなくなったり眠くなってしまったりする人には不向きだ。あと、もちろんのことだが根気がいる。

「7回読み」を私なりにまとめてみた。

1回目~3回目は見出しに着目しながら「だいたいこんなことが書いてあるんだな」と考えながら読み進める。アウトラインがおぼろげにつかめればOKだ。

4回目~5回目はキーワードに目を向ける。5回目はキーワードがどのように説明されているかにも目を向ける。この段階では要旨がつかみとれればいい。

6回目では要旨以外の細かい情報も読み取るようにする。また、5回目までに読み取ったキーワードの意味や、キーワードとキーワードの関係も改めて確認する。

7回目で完全に頭の中に定着させる。

「キーワード」とか「要旨」と言われても・・・と思うかもしれないが、何度も読んでいると、「キーワード」や「要旨」がぐっと浮かび上がってくるのだという。この感覚は実際にやってみないと分からないのだろう。

山口さんは「ヤマ」を張って試験に臨んだことは一度もないのだという。これだけ隅々まで読んでいるのだから、いつだって自信満々で試験に臨んだはずだ。向き不向きはあるが、根気がある人には最強の勉強法に違いない。

 

◎勉強日記

<世界史>

*「青木の世界史B実況中継③」第44回「フランス革命(2)ー立憲君主政の動揺・共和政(&ジャコバン独裁時代)」の赤字部分をノートに取りながら、流れをつかむことを心がけて読む。

*問題集「ツインズ・マスター」41「フランス革命とナポレオンⅠ」の穴埋め問題をやる。

フランス革命は面白い。フランスがオーストリアプロイセン連合軍に連戦連敗し、国境線を越えて侵入してきたとき、「王様なんてやっぱりダメだ!」と義勇兵とパリ市民たちが8月10日事件を引き起こして王権を停止させ、ヴァルミーの戦いで勝利したあたりが特にダイナミックだ。

ジャコバン派の恐怖政治は恐ろしいが、これほど下層市民のために頑張った政権もないような気がする。しかし、平等を突き詰めるとどうしてグロテスクな政治になってしまうのだろうか。平等と自由は相容れない概念だ。平等を達成しようとすると、規制を強化しなければならず、自由にこだわると格差が広がる。ちょうどいい場所はどこだろうか?

 

<数学Ⅱ>

*「初めから始める数学Ⅱ」は第4章「指数関数・対数関数」に入る。14th day「指数法則、指数関数、指数方程式・不等式」の解説を読み、練習問題を解く。

*問題集「基礎問題精講 数学ⅡB」第5章「指数関数と対数関数」に入る。64「指数の計算」~68「指数不等式」の例題のみ解く。

指数関数のグラフのときだけ「!」となったが、いつもの図形恐怖症だ。ていねいにやればなんということはない。問題集の方は今回は簡単だった。

 

<日本史>

*「石川の日本史B実況中継③」第44回「明治政府の成立」の赤字部分をノートに取りながら、流れをつかむことを心がけて読む。

*問題集「教科書よりやさしい日本史ノート」58「江戸幕府の滅亡」~59「明治維新」の穴埋め問題をやる。

フランス革命も面白いが、明治維新も面白い。日本史では明治維新が一番面白いところだと思う。廃藩置県秩禄処分はよく達成できたなと感心する。特権階級が没落していくありさまが悲惨だ。

 

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「ハラハラドキドキの展開。少年園の<特別室>に入れられたジャックに何が起こったのか?」 読書ノート『チボー家の人々(2)ー少年園ー』(山内義雄訳)254日目~257日目

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ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(2)ー少年園ー』(山内義雄訳 白水Uブックス

第2巻の前半はサスペンスタッチだ。感化院の<特別室>に入れられたジャックに何が起こっているのか。兄のアントワーヌが感化院に探りに行くシーンは、ハラハラドキドキさせられる。施設は清潔だし、園長は愛想がよくて親切だ。ジャックの体にも虐待のあとは見られない。しかし、園長のことばの端々ににじみ出る施設の様子や、ジャックの不自然な受け答えから、読者は施設の過酷な実態に気づかされる。この書き方が絶妙なのだ。読者は「アントワーヌよ、頼むから気付いてくれ!」と祈る気持ちにさせられる。まさに息をのむ展開だ。

 

2.少年園

チボー家の人々』第2巻のあらすじを紹介する。

親友と家出をしたものの連れ戻されたジャックが、父親のチボー氏が設立した矯正施設に入れられてしまうところで第1巻は終了した。それから9ヶ月たった。ジャックは、チボー氏が、良家の子弟のためにとクルーイの感化院の中に作らせた<特別室>の中で一種の監房生活を送っているのだ。

医者で兄のアントワーヌは、手紙ひとつ寄こさないジャックの身の上を案じる。少年園で、なにか不正なことが行われているような胸騒ぎがしてならないのだ。そこである日、アントワーヌはチボー氏に内緒でジャックに面会しに行くことにした。

このとき、アントワーヌは24歳。ジャックは15歳だ。

 

アントワーヌを出迎えてくれたのは、園長のフォーム氏だ。愛想がよく親切で、施設を隅々まで案内してくれる。以前ジャックと一緒に散歩を楽しんでいたレオンじいさんも人当たりがいい。ジャックの部屋にも案内された。質素なホテルの一室といったようだが、よく手入れが行き届いていた。部屋は暖められ、洗面器は清潔な布の上に置いてあり、タオル掛けには何本かの清潔なタオルがかかっていた。ジャックの身の回りの世話をしているアルチュールという男が、シーツもなにもかも整えてくれるという。アントワーヌも驚きを隠せなかった。刑務所のようなところを想像していたのだが、それは間違いだったのかもしれないと。

ところが、当のジャックの様子がおかしいことにアントワーヌは気づく。久々の対面だというのに、どこか無表情なのだ。目も曇っている。まなざしに輝きがない。不満はないかと聞いても「何も」。先生はいい人かと問われれば「とっても」。今の生活に満足しているとジャックは答えるのだが、アントワーヌは胸の中にざわつきを覚える。そして、アントワーヌは一度は感化院を後にするものの、わざと汽車に乗り遅れ、もう一度感化院に戻ってくるのである。

そこでアントワーヌが目にしたものは、人としての尊厳など無視されたジャックの扱われ方だった。

(アントワーヌとフォーム園長の)ふたりは悪いところへ飛びこんだのだった。というのはふたりが廊下へ足を踏み入れるやいなや、アントワーヌには、弟が、園で便所と呼んでいる厠の中に、まる見えになってしゃがみこんでいるのが見えたからだった。戸は、アルチュールの手によってすっかりあけられ、そして、アルチュールは、その戸にもたれながら、パイプをふかしていた。

アントワーヌは、急いで部屋にはいっていった。園長は、もみ手をしながら、悦に入ってでもいるようだった。

「ごらんくださいましたか?」と、大きな声で言った。「お預かりしているお子さんたちは、ああしたところまで監督されておりますので」(P52-53)

部屋の様子もさっきと違う。昼食の膳はテーブルにのったまま。先ほどの清潔なシーツやタオルは影も形もなく、ごわごわのぼろがタオル掛けに引っかかっていた。

 

アントワーヌは園長の許可を取り、ジャックを午後いっぱい散歩に連れ出す。菓子屋に連れていくと、ジャックはがつがつと菓子をむさぼる。日頃まともな食事にありつけず、飢えていたのだろう。 初めは無表情で、何を聞いても反応が薄かったジャックもやっと普通の会話ができるようになってくる。ジャックは泣きながら、アントワーヌに施設の実態を告白する。レオンじいさんにわいせつな絵を描かされていること。(レオンじいさんはその絵を売りさばいて小遣い稼ぎをしているのだ。)絵に署名させられているので下手に告発できないこと。賭博場に連れていかれ、レオンじいさんが遊んでいる間、ジャックは洗濯場の中に鍵をかけられ二時間ばかり放置されたこと。アルチュールはジャックの身の回りの世話をすると称して、実は厳しくジャックを監視していること。先生はろくに勉強なんて教えようとしていないこと。ジャックの衝撃の告白にアントワーヌは唖然とする。

ついに、アントワーヌは決心する。「こんなところに弟を置いてはおけない」と。だが家に連れ帰ってもジャックとチボー氏はうまくやっていけないだろう。そこで、アントワーヌは、家を出てジャックとふたりで暮らすことを決心する。ジャックの生活はすべてアントワーヌが監督するという条件付きだ。もちろん勉強もしっかりとしてもらう。

この提案をチボー氏に納得させるにはかなり骨が折れたが、チボー氏の助言者であるヴェカール神父の助けもあって、アントワーヌはジャックを少年園から脱出させることに成功するのである。

チボー氏は、ジャックを少年園へ送った時には「やつの性根をたたきなおしてやるのだ!」と息巻いていたし、少年園からジャックを出すことも大反対だった。しかし、少年園から出てきたジャックが久々に家に帰ってきたときは、彼を受け入れてやろうという姿勢を見せる。

彼は、ふたりの息子を出迎えた。そして、弟息子をだいてキスしてやった。ジャックは、すすり泣いていた。チボー氏は、その涙の中に、悔恨と、よき決心のしるしを見た。そして、自分でも見せまいと思っていたほどの感動を見せてしまった。(P158)

この父子はどちらも仲良くしたいと思っているのに、なかなかうまくいかない。読んでいて切ない。

 

チボー氏が頑として聞き入れなかったのは、ジャックがフォンタナン家と付き合うことだった。ダニエルはジャックと「灰色のノート」で思いのたけをぶつけあった親友だ。一緒に家出もした。普通の生活に戻り、だんだん「本来の自分」を取り戻しつつあったジャックは「どうしてもダニエルに会いたいんだ!」とアントワーヌに訴える。訴えるうちに反抗心に火が付き、だんだん興奮して涙まで流してしまう。

すると アントワーヌは「よし、ぼくがすべてを引き受けよう。おやじにも司祭さんにもないしょでやろう。よかったら、次の日曜日行こうじゃないか」とあっさり承諾してくれるのだ。ジャックはあっさりと要求が通ったことにとまどってしまう。え、今度の日曜?そんなに早く?

人の心はさまざまな思いが揺れ動く。他人にしてあげる親切な行動ひとつとってみても、「オレって偉いよなあ」と自分に酔う気持ちだの、得意になっている自分への嫌悪感だの、他人が自分の行動に感謝してくれて純粋に嬉しい気持ちだのが混ざり合って一筋縄ではいかない。人の気持ちの揺らぎが本当にうまく書かれていて、どんな場面でもぐっと引き込まれてしまう。

 

フォンタナン家でも事件があった。フォンタナン夫人のもとにニコルという少女が現れる。少しややこしいが、彼女の母親はフォンタナン夫人のいとこで、フォンタナン夫人の夫ジェロームと不倫関係にある。ところが母親はジェロームの他に愛人を作り、愛人と逃げてしまった。しかも娘のニコルを家に置き去りにして。ジェロームはニコルにフォンタナン夫人を頼るように言う。慈悲深い夫人はニコルをあっさりと受け入れる。

フォンタナン家を訪れたアントワーヌとジャックは、フォンタナン夫人、ダニエル、ジェンニー、ニコルに会うことになった。ダニエルの妹ジェンニーは14歳。彼女は例の家出事件の全責任がジャックにあるような気がして、ジャックを恨んでいた。一方、ジャックは彼女についてどう思ったか?

彼は、表情がゆたかな一方、無表情でもある顔のかげ、溌溂としていながらあくまで秘密をもらさない彼女のひとみの奥に、神経的なきまぐれと、ふるえてやまない鋭い感覚とを見てとってしまっていた。彼はふと、こうした少女をもっとよく知ることができ、その閉ざされた心の中に分け入ることができ、あるいはさらに、その友だちになることができたらどんなに愉快だろうと思った。(P229-230)

一方、ジャックはダニエルに会ったものの、腹を割って話ができず失望していた。ダニエルの方も同じく失望していた。まる一年会わないでいたことは大きい。ふたりの友情はこのまま滅びてしまうのだろうか。(第3巻に続く)

 

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どうしても捨てられない料理本がここにある。+252日目~253日目(数学Ⅱ、日本史、化学)

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去年、部屋の整理をするために大量の本を捨てた。しかし、どうしても捨てられない本というものがある。

小林カツ代の365日のおかずノート』(主婦の友社

小林カツ代さんの本もかなり整理したのだが、この本だけはどうしても手放せなかった。365日の夕食の献立が載っている本。その中には何度も登場するおかずがある。そこがなんともリアリティーがあっていい。だって、家庭料理ってそういうものじゃないだろうか。

この本の「はじめに」で、小林カツ代さんはこう書いている。

現実の生活というのは、毎日毎日違うものを食べているわけではない。カレーライスやハンバーグや、鶏のから揚げ、焼き魚など、家庭ではおなじみのおかずが何度か食卓に登場するのではないのかと。そんなふうにしたい、もっと現実の世界に即してこの本を作りたいと思いました。

それに、すべての日がお仕着せの献立もしんどい。ときどきは読者自身が好きなものを作ったり、どこかへ食べに行ったりする日があったり、といったごく普通の日常生活のおかずノートでありたいとも。そんなときは、四季に応じた私なりの暮らしのヒントなどを織り込めば、きっと読者の役に立つことと張り切りました。

ところが、そんなこんなを盛り込みつつのメニュー作りは、思いのほか大変な作業でした。365日分違う料理をずらーっと並べるほうがはるかにラクでした。私の著書は六十冊以上になりますが(引用者注:この本が出た1993年時点で)、正直言って、この本ほど、労力と、時間と、体力と知恵を使ったのは初めてです。

小林カツ代さんの料理は「かんたんで早い」面ばかりが取り上げられがちだが、「ここだけは絶対におろそかにしてはならない」というポイントがわかりやすいところが、実は最もスゴいと思う。そこさえ外さなければ、おいしくできるのだから。 

私が一人暮らしを始めたのは社会人になってからだが、その時小林カツ代さんの本にはどれだけお世話になったかわからない。たまにこの本を読み返してはじーんとしてしまうのである。

 

◎勉強日記

<数学Ⅱ>

*「初めから始める数学Ⅱ」13th day「三角方程式、三角不等式」の解説を読み、練習問題を解く。

*問題集「基礎問題精講 数学ⅡB」63「三角方程式」の例題のみ。

2倍角の公式を覚えることをサボらなければ、それほど恐れることはないことがわかった。私がやっているのは基本中の基本問題ばかりだが、なんとなくわかりかけてきて面白い。

しかし「基礎問題精講」の方はよくわからなかった。あきらめて、次の分野に移ることにする。これで三角関数は終わりだ。

 

<日本史>

*「石川の日本史B実況中継③」第43回「幕末の政治過程」の赤字部分をノートに取りながら、流れをつかむことを心がけて読む。

*「教科書よりやさしい日本史ノート」57「開港貿易と幕末の政局2」の穴埋め問題をやる。

日本史で一番面白いところだ。桜田門外の変安藤信正が失脚し、島津久光が上洛してから倒幕までの流れがよくわからなかったが、今回やっと整理できてすっきりした。寺田屋事件島津久光が自分の藩の尊攘派を排除した事件と、坂本龍馬が襲撃された事件とごっちゃになってしまう。どちらも寺田屋で起きた事件なので。ちなみに池田屋事件は有名なのでわかる。

最近発見された坂本龍馬の直筆の手紙には、寺田屋事件(龍馬が襲撃された方)が起きたことを西郷隆盛と大笑いしたとあったそうだ。「幕府のやつ、よほど焦ってるぞ」ということだろうか?

 

<化学>

*問題集「化学基礎の必修整理ノート」2「イオンからなる物質」(P31-33)をやる。

*「宇宙一わかりやすい高校化学(無機化学)」3-9「ハロゲン化水素の性質」~3-11「塩化水素」の解説を読み、巻末の確認問題を解く。

問題集「化学基礎の~」の方は、「宇宙一わかりやすい高校化学(理論化学)」にも載っていなかった基礎中の基礎事項が書いてあってうれしい。組成式の作り方がやっとわかった。(私のレベルはまだまだそんなものだ)

無機化学の方は、Chapter3「ハロゲン」が終わった。次の章もがんばろう。

 

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「『大人たちの束縛から逃げ出せ!やつらに何がわかる!』 二人の少年の家出事件から物語は始まる」 読書ノート ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(1)ー灰色のノートー』(山内義雄訳)247日目~251日目

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ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(1)ー灰色のノートー』(山内義雄訳 白水Uブックス

面白い。面白すぎて止まらない。この本はチボー家の次男、ジャック・チボーをめぐる群像劇だ。司馬遼太郎の小説ではないが、さまざまな人々に視点が当てられる。しかし大抵の本屋には置いていないので、日本ではほとんど読まれていないと思う。そこで、1冊ごとにあらすじを記すことにした。「こんな話だったのか」と少しでも興味を持ってもらえるとうれしい。

 

 1.灰色のノート

チボー家の人々』は、カトリック系の中学校に通うジャック(14歳)とダニエル(14歳)の家出事件から始まる。ふたりの家出の二日前、ビノ神父はジャックの机からエミール・ゾラだのジャン・ジャック・ルソーだのの「けしからん本」とともに、「灰色のノート」を発見した。このノートに書かれた内容を問題視して、ピノ神父はジャックに退学させるぞと脅す。これが引き金となって、ジャックはダニエルを誘い、家出を企てた。「やつらはぼくたちの《灰色のノート》をぬすみやがった!やつらにはわからない。やつらになんでわかるものか!」と、ジャックの激昂ぶりはすさまじい。

 

「灰色のノート」には何が書いてあったのか?「灰色のノート」はジャックとダニエルの交換日記だった。ふたりは、思いのたけを心のままに綴っているのである。「ふたりの友情は永遠だ!」のような文章はかなり恥ずかしいが、書いた覚えがある人は意外と多いのではないだろうか。だが、先生たちは、ふたりに同性愛の嫌疑をかけてしまう。中身はこうだ。

きみこそは、ぼくがただひとり愛する友!(中略)ねえ、どんなことがあっても離れまい。ああ、いつ、いつの日にふたりは自由になれるのか?いつの日に、ふたりはいっしょに生活し、いっしょに旅ができるのか?いろいろな外国、どんなにたのしいことだろう!ふたりして、不滅な、美しい印象を集めてあるき、そのまだぬくみもうせないうちに、ふたりでいっしょに、それを詩にして歌うのだ!(P77-78)

 

おお、きみに手紙を書きながら、ぼくは、それらが、真にして力強きものであることを感じる!ぼくは生きている!そして、肉体も精神も、心も、存在力も、すべてはぼくのうちに、きみの愛情によってこそ生きているのだ!そして、真実な、それに唯一無二のわが友よ、きみの愛情をぼくはぜったいに疑っていない!(P78-79)

やたらと「!」が目につく。ここではないどこかへ脱出したい。大人たちの束縛から逃れて自由になりたい。その思いが膨れ上がって、ふたりはおおいに盛り上がっている。同性愛っぽいといえば同性愛っぽいが、ふたりで一緒に住みたいとか、旅行に行きたいとか、そう書きたくなる気持ちはわからなくもない。ふたりは逃げ出したいのだ。

 

ふたりの家出を知って、双方の家族は大騒ぎとなる。

父親であるオスカール・チボー氏は地元の名士だ。妻はジャックが生まれたと同時に死んだ。反抗的で繊細で感情の振れ幅の大きいジャックは悩みの種だ。ジャックを愛していないわけではないのだが、扱いにくい息子だと感じている。ジャックには9歳年上の兄アントワーヌ(23歳)がいる。彼も重要な登場人物のひとりだ。

一方、ダニエルの家庭は父親不在の家庭だ。父親のジェローム浮気者で、あちこちの女の元に転がり込み、めったに家に帰ってこない。ダニエルの家出の知らせを受けて、母親のフォンタナン夫人が、心当たりのある情婦のもとをあちこちと訪ねてジェロームの居場所を探さなければならない状況なのだ。ダニエルには、妹のジェンニー(13歳)がいる。金持ちのチボー家とは違い、フォンタナン家は裕福とはいえない。しかし、フォンタナン夫人はあふれるような愛情で子供たちを包んでいる。ジャックにどう接していいかわからず困り果てているチボー氏とは大違いだ。

宗教的背景も違う。ジャックの家庭はカトリックを信仰しているが、ダニエルの家庭はプロテスタントを信仰している。これが物語にどのような影響を及ぼしていくのか、まだわからない。

 

結局、ジャックとダニエルはマルセーユで二晩過ごしたものの、警察に捕まって実家に連れ戻されてしまう。

フォンタナン夫人は息子のダニエルをとがめることなく、愛をもって受け入れてくれる。ところがチボー氏は、ジャックに対して怒りのたけをぶつけてしまう。

初めは、チボー氏はジャックを許すつもりだった。彼は、ジャックが無事に帰ってきたことをお祝いするつもりで、女中たちに準備させていた。そして、あやまちをおかした息子が飛びついてくるのを待ちわびていた。ところが、ジャックにはそれができない。なぜか。

それというのは、書斎のなかがお祭りのようにあかあかとかがやき、台所へ向かった戸口にはふたりの女中の顔が見え、さらにチボー氏が、夕方の気楽ななりをしているはずのこの時間にフロックコートなどを着ていたから。こうした、常とちがったいろいろなことが、ジャックの気持ちを麻痺させた。彼は《おばさん》の抱擁からぬけだした。そして、あとしざりした彼は、何ものかを待ちかまえるような気持ち、泣きだしたいような気持ち、同時にからか(ママ)と笑らいだしたいような気持ちを感じながら(彼の心には、それほどまでに愛情が鬱積していた)、顔を伏せたまま立っていた。(P168)

息子が泣きながら詫びることを期待していたチボー氏は、ジャックの態度に激怒してしまうのである。「ろくでなしだ。人情のないやつだ!こいつのためにみんなが心配した、その心配に値しないやつなのだ」と。 父子のすれ違いがなんとも切ない。

ジャックは矯正すべき問題児として、感化院に送られてしまう。そこはチボー氏が設立した施設なのだが・・・そこは実に恐ろしい場所だった。(第2巻に続く)

 

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待ちわびた本がやっときた!+245日目~246日目(日本史、化学、世界史)

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いつもの本屋さんから『チボー家の人々』が入荷したと連絡がきたので、いそいそと買いに行った。全13巻。税込み12690円。箱入りだ。箱も大切にとっておこう。

何かがくるのを楽しみにする気持ちを、今回は久々に味わった。早く買わないと、またしても絶版にされてしまうのではないかという強迫観念もあって、心の底から本の到着を待ちわびた。訳者の山内義雄先生は『チボー家の人々』を訳すのに1938年から1952年までの14年間を費やしたという。太平洋戦争中は翻訳作業もままならなかっただろう。暗い戦時下、どのような気持ちで原作と格闘したのだろうかと胸が締め付けられる。

実はもう第1巻は読んでしまった。『チボー家の人々』の読書ノートは、一冊ごとにつけようと思う。

 

◎勉強日記

<日本史>

*「石川の日本史B実況中継③」第42回「開国・開港貿易」の赤字部分をノートに取りながら、流れをつかむことを心がけて読む。

*問題集「教科書よりやさしい日本史ノート」55「開国」~56「開港貿易と幕末の政局1」の穴埋め問題をやる。

「実況中継」は、はじめに書いてあるシラバスっぽいもの?はポイントがわかりやすい。ペリーの浦賀来航後、日本は貿易を海外と始める。輸出品の8割前後が生糸、輸入品は毛織物・綿織物が主流。これが何を意味するのか。また、通貨制度はどのようにして出発したのか。はじめに提示されたポイントを意識すると、内容が頭に入りやすい。

経済の混乱が倒幕に結びついた。やはりおカネか。

 

<化学>

*問題集「化学基礎の必修整理ノート」2章「化学結合」1「イオンの成り立ち」(P28~P30)をやる。

*「宇宙一わかりやすい高校化学(無機化学)」Chapter3「ハロゲン」3-1「ハロゲンの性質(Ⅰ)」~3-8「ヨウ素」までの解説を読み、巻末の確認問題をやる。

「ハロゲン」元素の漫画化が面白い。イメージしやすいので覚えやすい。

 

<世界史>

*「青木の世界史B実況中継③」第43回「フランス革命(1)ー絶対王政から立憲君主制へー」の赤字部分をノートに取りながら、流れをつかむことを心がけて読む。

*「ツインズ・マスター」は、該当範囲が中途半端なので今回は飛ばす。

やっときた「フランス革命」。やりたくて仕方なかった。今、フランス文学を重点的に読んでいるので、フランス革命についても基本的な知識をおさえておきたい。

 

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「人生は選ぶより、選ばされていることの方が多いかもしれない」 読書ノート モーパッサン著 『女の一生』(永田千奈訳)243日目~244日目

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モーパッサン著『女の一生』(永田千奈訳 光文社古典新訳文庫)

結婚はこわい。いい相手なら幸福だが、とんでもない相手なら自分の一生を台無しにしてしまいかねない。『女の一生』の主人公ジャンヌは、とんでもない相手と結婚したために不幸を背負ってしまった。裕福な家庭で育った男爵家令嬢。容姿端麗。性格も明るい。お金持ちで美人で性格も良くて・・・と何から何までそろっている彼女だが、夫にだけは恵まれなかった。

結婚してからわかることもある。夫ジュリアンは、最強のモラハラ夫だ。まず、びっくりするほどのケチだ。おカネを貯める目的なんかない。ただおカネがたまっていくのを見るのが嬉しくて仕方がないタイプなのだ。結婚前は自分の財産はほとんどなかったにも関わらず、結婚したとたん「君の財産は僕の財産だよね。夫婦なんだから」と言い出し、妻の実家から受け継いだ財産のすべてを我が物顔に管理する。新婚旅行に行けば、馬車の運賃や商品の値段を値切り倒す。チップは相場よりはるかに低い額を渡す。農場の小作人からは搾り取る。馬車をひいていた馬もエサ代がもったいないので売り払ってしまう。

冬は薪をケチるので、家の中は寒くて仕方がない。ジャンヌがお取り寄せしていた「おいしいパン」もおカネがかかるからダメ。おまけにジュリアンは、自分の身だしなみにも気をつかわなくなってしまう。おカネのかかることはすべてムダなのだ。

それに加え、ジュリアンはセックスが大好きだ。相手は誰でも構わないらしい。女中のロザリを妊娠させておきながら知らん顔を決め込み、「父親が誰だかわからぬ子どもを抱えた未婚の母なんか家に置いておけない」と、女中を必死に追い出そうとする。フルヴィル伯爵夫人ともヤリまくる。ケチで誰とでも見境なくセックスをしたがり、他人の気持ちがこれっぽっちもわからない。あんまりな人物設定だが、モーパッサンはこのどうしようもない男を描くのが、実は楽しくて仕方がなかったのではなかろうか。「こんな人間、いるか?」と思わせるほどの描き方で、かえって笑えてくる。

一方、主人公のジャンヌはユーモアの感覚を持っている。ジャンヌの父親が、未婚の母となったロザリを気遣って、彼女に持参金2万フランと農場をもたせ、どこかの男に嫁がせてやろうという計画を話したとき、当然のことながらドケチな夫ジュリアンは烈火のごとく怒り出す。「2万フランも出すなんて馬鹿げてる!もったいない!」と。自分のカネではなく、舅のカネなのに。妻のものは自分のもの。妻の実家のものももちろん自分のもの。

それを聞いていたジャンヌは、父親の前で大笑いするのだ。「あの人、何回『2万フラン』って言ったかしら?」と。夫の節操のなさとケチ臭さは、もう笑い飛ばすしかないのだ。

ジャンヌは「もう、自分は夫を愛していないのだ」ということを早々に受け入れるのだ。だからフルヴィル伯爵夫人とジュリアンが浮気をしていることを知っても、「ふーん」という反応しか示さない。 このあたりは一番面白かった。

実際に結婚生活をしてみて、考えていたものとは大違いなこともある。そのときは、夫を愛せない自分をあっさり受け入れてしまうというのも生き抜くための手なのかもしれない。それは寂しいけれど、離婚しないのなら達観するしかない。人間はそう簡単に変わらないのだから。

このままジャンヌが強く生き抜いて、夫をいら立たせてくれたら面白いのに。せめて息子をどこに出しても恥ずかしくない立派な男に育てるとか。自分も金持ちの恋人を捕まえて、ジュリアンを家からたたき出すとか。なにか留飲の下がる展開を期待したのだが・・・。

結局、ジュリアンは浮気相手の夫にあっさりと葬り去られてしまう。やっとドケチ夫から解放され、ジャンヌが幸せになったかといえば、そんなことはない。

ジャンヌは一人息子のポールを死ぬほど甘やかして、ダメな人間にしてしまうのだ。息子に友人ができただけで嫉妬してしまうのだから、完全に病んでいる。成人したポールは遊びで金を使いまくり、ジャンヌは請求書の支払いに追われることとなる。そして「私の人生は不幸だ」とまたしても嘆く羽目になるのだ。夫が信じられない分、ジャンヌは息子との愛情こそ確実なものにしたいと願ったのだろうが、そんなのは息子の知ったことではない。

ジャンヌは流されるままに人生を生きた。しかし、人生はこんなものかもしれない。人間は主体的に何かを選び取るより、「選ばされている」ことの方が多くはないだろうか。そこでどう振舞うかはその人次第である。

 

桑原武夫が選んだ教養ある日本人のための必読書「世界近代小説50選」 

これで5作品読み終えたことになる。

 

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「満身創痍の清水が相手だが・・・それでもこの一勝は大きい。大久保はよく決めた!」清水エスパルスvsFC東京 (J1 第14節 〇0-2) @日本平 239日目~242日目

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5月31日(水)、東京と清水はルヴァンカップで戦ったばかりだ。しかもこの日本平で。この時は2-1で逆転負けを食らっている。中3日あけて、今度はリーグ戦だ。同じ相手に何度も負けられない。

東京のスタメンはこう。

FW  大久保嘉 前田

MF 中島       東

    橋本  髙萩

DF 太田 森重 吉本 室屋

GK       林

今回はセンターバックを丸山から吉本に代えてきた。ボランチも怪我から復帰した橋本を使ってきた。

 

一方、いつも注目しているので、清水のスタメンも記す。

FW  チアゴ デューク

MF 白崎      枝村

     竹内 六平

DF 松原 角田 村松 鎌田

GK     六反

ルヴァンカップで負傷したテセがいない。何でもやってくれるテセがいないなんて、清水にとってはかなりのハンデ戦だ。ここで勝てなかったら、いつ勝つんだトーキョー。

ところが、前半は東京は風下でバタバタしていた。中盤でボールが拾えない。ゴール前では微妙なところでファールを与え、2回もFKを蹴らせてしまった。ところが、チアゴ・アウベスのキックが不発。テセもいないし、俺が決めなくちゃ!と力んでいるんだか何なんだか。東京にはラッキーな展開だ。

そして、清水にとって不運だったのは、白崎が前半20分で負傷退場してしまったことだ。早い時間帯から北川を入れ、デュークを左サイドハーフに下げざるを得なくなる。これで前線のパワーが減った。

だが、前半の東京はイマイチだった。中盤からのテンポが遅いというか、リズムが悪いというか。大久保がテンポアップのために中盤に下がってくるときは、あまり良くないときだ。左サイドからの攻撃は機能していた。しかし、完全に崩したシーンはなかったように思う。お互いなかなか決定機を生み出せず、前半終了。0-0。

 

後半はメンバー交代なし。

後半50分、いきなりあぶないシーンが訪れる。カウンターからチアゴがドリブルで東京のゴール前に猛然と運び、ペナルティエリア内に侵入。並走していた橋本がチアゴを倒してしまう。手がかかっていたのでPKを覚悟したが、判定はノーファール。ボールに足が出ていたという判定か?とにかく助かった。

後半59分 前田→ウタカに交代。

だんだんオープンな展開となってくる。

後半68分 清水のFKが東京の壁に当たってからのカウンター。中島のスルーパスから

大久保が抜け出す。チアゴを冷静にかわしてゴール!!0-1。やっと先制点を奪うことができた。大久保が久々に点を決めたことで、東京ゴール裏は盛り上がる。

ゴールを決めてから、東京の動きが格段に良くなる。ウタカや大久保が下がれば高萩が上がって球を受けるといった具合に、選手の動きに流動性が出てくる。前半からこういう動きをやってほしかった。

後半72分 枝村→村田に交代。村田はそのまま右サイドに入る。

後半77分 東京にとって、おそらくこれが一番危なかった。右サイドからチアゴのFKから、角田の陰に隠れていた村松がドンピシャでヘッドで合わせる。ボールは枠のわずか上へ。ルヴァンカップでやられた形らしい。見ていないけど。怖い怖い。

後半83分 清水は六平→長谷川悠に代え、前線の数を増やしてシステムを変更するが、そこを叩いた東京。東からのスルーパスに大久保がバックヘッドで合わせ、ゴール!!0-2。エビぞりになって後頭部で合わせるという、びっくりするようなゴールだった。大久保のシュート技術は半端ない。

そのあと二枚の交代枠を使った東京。AT3分も乗り切り、嬉しい完封勝利となった。最近、不甲斐ない試合が多かったので、勝てて良かった。

 

監督インタビューでは、小林監督が1点目の失点シーンにおかんむりだった。1点目はチアゴのFKが東京の壁にあたり、カウンターを食らってしまった。普通はカウンターの危険を防ぐために、キッカーの他に1人くらい残っているものだ。(確かにそうだ)

リスク管理がなっていない。私も気がつけば良かったんですけどねえ」と。そんなの言われなくても気がついてくれよ、と言いたかったのかもしれないが。運動量が半端ない白崎の負傷交代も痛かった。終わってみれば、デュークが守備に攻撃にと奮闘していた印象だけが残った。

やはり、テセがいなかったのが大きい。前線で時間を作ってくれたり、周囲の人をうまく使ったり、もちろんシュートも決めたり、なんでもやってくれる。今回は外からゲームを見ていて、思うところもあったはずだ。次のゲームから頑張ってほしい。

ただし、東京戦以外で。

 

一方、東京は暫定4位に浮上。首位の柏レイソルと勝ち点は6差だ。できることなら、後半に見せてくれた流れるような展開が次の試合でも見たい。中断期間明けは、ホーム味スタで横浜FM戦だ。

 

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