こだいらぽんたの「基礎学力」勉強日記

基礎学力(高卒程度)を身につけたい。読書も旅もしたい。フットボールも見たい。

読書ノート

「子どもの早期英語教育は、日本語読解力の低下を招く」 読書ノート 榎本博明著『その「英語」が子どもをダメにする』(276日目~277日目)

◎10月18日(水)晴れ 夜遅くから雨 *読書ノート 榎本博明著『その「英語」が子どもをダメにする』(青春新書インテリジェンス) 子どもの早期英語教育は百害あって一利なし、ということをさまざまなデータを用いて解説した本だ。日本語力があやふやなときに…

「『もっとも読まれていない名作のひとつ』は本物の名作だった!」 ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(12)』『チボー家の人々(13)』(246日目~250日目)

ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(12)ーエピローグⅠー』『チボー家の人々(13)ーエピローグⅡー』(山内義雄訳 白水Uブックス) 『チボー家の人々』第12巻と第13巻「エピローグ」は、第一次世界大戦終結を目前とした1918年5月から始まる…

「編集者や校閲者のチェックがきいている情報は信用に値する。」 読書ノート 池上彰・佐藤優著『僕らが毎日やっている最強の読み方』(東洋経済新報社)+241日目~245日目(日本史、化学、世界史、数学B)

池上彰・佐藤優著『僕らが毎日やっている最強の読み方』(東洋経済新報社) 発売日にこの本を買ったものの、9ヶ月間ずっと積読状態だった。なぜなら、本の中で「重要だと思われる部分」にあらかじめ線が引いてあり、それが1ページの中に何か所も存在して読…

「死が身の回りから遠ざかっている今だからこそ、この本を読んでもらいたい。」 ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(11)一九一四年夏Ⅳ』(236日目~240日目)

ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(11)一九一四年夏Ⅳ』(山内義雄訳 白水Uブックス) 「一九一四年夏」の最終巻だ。月並みな感想で申し訳ないが、戦争だけは絶対に避けなければならない「悪」だと思った。「ふつうの生活」ができなくなる…

「普通の人々が、どのように戦争に引き込まれていったのか。そのリアルさに震える」 ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(10)一九一四年夏Ⅲ』(228日目~232日目)

ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(10)一九一四年夏Ⅲ』(山内義雄訳 白水Uブックス) フランス国民の大多数は戦争反対だった。誰しも戦場で殺し合いなんてしたくなかった。ところがいつの間にかずるずると戦争に引き込まれ、「領土保全の…

「第一次世界大戦はどうしても避けられなかったのか?」 ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(9)一九一四年夏Ⅱ』(218日目~222日目)

ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(9)一九一四年夏Ⅱ』(山内義雄訳 白水Uブックス) 第一次世界大戦は避けられなかったのだろうか。避けられたとすれば、どのような手立てがあったのだろうか。当時のフランス人たちは「戦争なんて起きる…

「なぜ第一次世界大戦は起きたのか。当時のヨーロッパの雰囲気がわかる一冊」 ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(8)一九一四年夏Ⅰ』(308日目~311日目)

ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(8)一九一四年夏Ⅰ』(山内義雄訳 白水Uブックス) 1914年6月28日サラエボで、オーストリア次期皇帝フランツ・フェルディナントがセルビア人青年に暗殺された。この事件がなぜ、どのようにして人類史上初…

「死ぬのはこんなにも大変なことなのか?」 読書ノート ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(7)ー父の死ー』(293日目~297日目)

ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(7)ー父の死ー』(山内義雄訳 白水Uブックス) 人は誰でも死ぬ。死ぬときは安らかに、眠るように死んでいきたい。ところが、思い通りにいくとは限らない。チボー氏の苦痛に満ちた最期は地獄絵そのもので…

「人は、すべての過去に結びつけられている。」 読書ノート ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(6)ーラ・ソレリーナー』 284日目~287日目

ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(6)ーラ・ソレリーナー』(山内義雄訳 白水Uブックス) 「ラ・ソレリーナ」とはイタリア語で「妹」という意味だ。この小説をジャックが雑誌に変名で発表していたことから、アントワーヌはジャックの居場…

「人間の行動なり意思決定には、自ら選び取れるものは案外少ない」 読書ノート ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(5)ー診察ー』 277日目~279日目

ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(5)ー診察ー』(山内義雄訳 白水Uブックス) 前巻から3年の月日がたった。時は1913年。アントワーヌ32歳。第5巻は医師として充実した日々を送っているアントワーヌの一日を切り取った巻となって…

「暴力で女を支配する男と、ダメ男ぶりで女を支配する男」 読書ノート ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(4)ー美しい季節Ⅱー』(268日目~271日目)

ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(4)ー美しい季節Ⅱー』(山内義雄訳 白水Uブックス) 4.美しい季節Ⅱ 『チボー家の人々』第4巻のあらすじを紹介する。 チボー家の長男アントワーヌは29歳。第3巻で、彼は、父親の秘書シャール氏の娘…

「恋はそれぞれ、その当事者に似る」 読書ノート ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(3)ー美しい季節Ⅰー』 261日目~266日目

ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(3)ー美しい季節Ⅰー』(山内義雄訳 白水Uブックス) 「美しい季節」には、登場人物たちのそれぞれの恋の物語が書かれている。表題の「恋はそれぞれ、その当事者に似る」は、巻末の店村新次氏の解説によ…

「ハラハラドキドキの展開。少年園の<特別室>に入れられたジャックに何が起こったのか?」 読書ノート『チボー家の人々(2)ー少年園ー』(山内義雄訳)254日目~257日目

ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(2)ー少年園ー』(山内義雄訳 白水Uブックス) 第2巻の前半はサスペンスタッチだ。感化院の<特別室>に入れられたジャックに何が起こっているのか。兄のアントワーヌが感化院に探りに行くシーンは、ハ…

「『大人たちの束縛から逃げ出せ!やつらに何がわかる!』 二人の少年の家出事件から物語は始まる」 読書ノート ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(1)ー灰色のノートー』(山内義雄訳)247日目~251日目

ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(1)ー灰色のノートー』(山内義雄訳 白水Uブックス) 面白い。面白すぎて止まらない。この本はチボー家の次男、ジャック・チボーをめぐる群像劇だ。司馬遼太郎の小説ではないが、さまざまな人々に視点が…

「人生は選ぶより、選ばされていることの方が多いかもしれない」 読書ノート モーパッサン著 『女の一生』(永田千奈訳)243日目~244日目

モーパッサン著『女の一生』(永田千奈訳 光文社古典新訳文庫) 結婚はこわい。いい相手なら幸福だが、とんでもない相手なら自分の一生を台無しにしてしまいかねない。『女の一生』の主人公ジャンヌは、とんでもない相手と結婚したために不幸を背負ってしま…

「現実と向き合おうとしない夫と、自分と他者の違いを認識できない妻と」 読書ノート フローベール著『ボヴァリー夫人』(芳川泰久訳)237日目~238日目

フローベール著『ボヴァリー夫人』(芳川泰久訳 新潮文庫) 『ボヴァリー夫人』とは、田舎医者シャルル・ボヴァリーに嫁いだエンマのことだ。彼女は恋愛小説が大好きで、情熱的な恋愛に憧れているのだが、現実の結婚生活は凡庸な夫との退屈な田舎暮らしに過…

「16世紀のフランス宮廷の姿がわかる小説。他人がうっかり落とした恋文を回し読みする貴族たち」 読書ノート ラファイエット夫人『クレーヴの奥方』(永田千奈訳)229日目~230日目

ラファイエット夫人著『クレーヴの奥方』(永田千奈訳 光文社古典新訳文庫) この本を読めば、16世紀のフランス宮廷がどんなところだったかわかる。みんなヒマだから、他人のウワサ話ばかりだ。誰かがポケットから恋文を落としたら、「この手紙は××公のポ…

「ジュリヤン=ソレルが『ほんとうのもの』を見出すまでの物語」 読書ノート スタンダール著『赤と黒(上・下)』(野崎歓訳)222日目~224日目

スタンダール著『赤と黒(上・下)』(野崎歓訳 光文社古典新訳文庫) 『赤と黒』は素晴らしい小説だった。主人公ジュリヤン=ソレルとの別れがつらくてなけてきた。ナポレオンに憧れ、自分を特別な何かだと信じ、心のままに突っ走っていくジュリヤン=ソレ…

「ちょっと風変わりな相思相愛を描いた恋愛小説」 読書ノート アベ・プレヴォー著『マノン・レスコー』(青柳瑞穂訳)211日目~216日目

アベ・プレヴォー著『マノン・レスコー』(青柳瑞穂訳 新潮文庫) 4月28日の記事にあげた「桑原武夫が選んだ教養ある日本人のための必読書『世界近代小説50選』」を1冊ずつ読んでみることにした。桑原武夫先生はフランス文学者なので、まずはフランス…

「ことばで考える世界は虚構である」 読書ノート 梶山雄一・上山春平著『空の論理<中観>ー仏教の思想3-』(207日目)

梶山雄一・上山春平著『空の論理<中観>ー仏教の思想3-』(角川ソフィア文庫) 「一切の存在は空である」とは、大乗仏教の原型をなす『般若経』の中心思想であり、ナーガールジュナ(龍樹)が「空の論理」として理論的に展開した。 この本を読んで、私の…

桑原武夫が選んだ教養ある日本人のための必読書「世界近代小説50選」+201日目~203日目(数学Ⅱ、日本史)

昨年、家の断捨離を敢行し、不必要なものを徹底的に捨てまくった。すると、まさかというところに、まさかというものが見つかるものだ。タンスの奥の方から、なんと本が出てきた。桑原武夫著『文学入門』(岩波新書)だ。初版は1950年。学生時代に買ったと記…

「文豪ゲーテの名著。挫折した人でも、この訳なら絶対に読める!」 読書ノート ゲーテ著『ファウスト<第一部>+<第二部>』(池内紀訳)194日目~195日目

ゲーテ著『ファウスト』<第一部>+<第二部>(池内紀訳 集英社文庫ヘリテージシリーズ) 『ファウスト』も「題名だけは有名だが、あまり読まれていないシリーズ」かもしれない。ところが読みやすい訳本を手に入れることができた。 『ファウスト』を読もう…

「仏教に対するいくつかの疑問を払拭してくれた一冊。これで1000円は安い!」 読書ノート 櫻部健・上山春平著『存在の分析<アビダルマ>ー仏教の思想2-』(189日目~190日目)

櫻部健・上山春平著『存在の分析<アビダルマ>ー仏教の思想2ー』(角川ソフィア文庫) 仏教の思想シリーズの2分冊目だ。読んでよかった。サンスクリット語はおろか、仏教の基礎知識も持たない人間に、難しい原始仏教の世界をわかりやすく教えてくれる研究…

「日本が沈没したらどこに行けばいい?難民になることのリアル」 読書ノート 小松左京著『日本沈没』(上・下)+172日目~173日目(世界史、数学Ⅱ)

小松左京著『日本沈没』(上・下)小学館文庫 1973年に出版されたこの本を今さら読む気になったきっかけは、最近テレビでやっていた『日本沈没』の映画をたまたまチラ見したことによる。「科学の粋を集めて日本沈没の危機を救う話かな」と思っていたらと…

「イエズス会はブラックな集団だったのか!?」 読書ノート パスカル著『パンセ(下)』+170日目~171日目(化学)

パスカル著『パンセ(下)』(塩川徹也訳 岩波文庫) 下巻の注釈にはイエズス会に関することがらが多く登場する。鹿児島に上陸したフランシスコ=ザビエル。上智大学を設立したイエズス会。ところが『パンセ』の下巻では、日本に縁が深いイエズス会について…

「神がいるかいないか、賭けてみないか?勝った場合の儲けは無限大だ!」 読書ノート パスカル著『パンセ(中)』+169日目(日本史)

パスカル著『パンセ(中)』(塩川徹也訳 岩波文庫) 前にも書いたが、パスカルの目標は、神を信じない人に向かって、キリスト教を信仰するように呼び掛けることだ。 人間は自分自身の欠点と悲惨さに我慢ならない。それにも関わらず、他人からは良く思われた…

「自分が心底救われたいと思わなければ、信仰には意味がない」 読書ノート パスカル著『パンセ(上)』(塩川徹也訳)167日目~168日目(数学Ⅱ)

パスカル著『パンセ(上)』(塩川徹也訳 岩波文庫) パスカルが亡くなった後、さまざまな大きさと形の紙片に記された断片的な文章の堆積が見つかった。それが「パンセ」(断想)だ。 「人間は一本の葦にすぎない。自然のうちで最もか弱いもの、しかしそれは…

「この本で職場での悩みが吹っ切れた。書評というよりは人生相談の書」 読書ノート 佐藤優著『僕ならこう読む』+146日目~147日目(世界史、数学A)

佐藤優著『僕ならこう読む』(青春新書インテリジェンス) この本は佐藤さんの本の中ではかなり読みやすく、読むのが遅い私でも2時間もあれば読める。『僕ならこう読む』というタイトルから、書評だけが書かれているのかと思いきや、中身は「人間関係で嫌な…

「櫛挽の技が、考え方の違う人間たちをひとつにまとめあげていく世界」 読書ノート 木内昇著「櫛挽道守」+132日目~133日目(世界史、数学A)

木内昇著「櫛挽道守」集英社文庫 「くしひきちもり」と読む。この本は桜蔭中学校の入試問題で知った。時代は幕末。木曽山中の藪原宿で、神業の腕を持つ櫛職人の父親を師と仰ぎ、女性でありながら櫛挽に生涯をささげた「登瀬」の物語だ。ここで登場する「お六…

「様々なものを失い続けるだけの人間というものを、力強く肯定してくれる物語」 村上春樹著「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」(上・下)+130日目~131日目(化学)

村上春樹著「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」(上・下)新潮文庫 数日前、読書ノート「知恵と慈悲<ブッダ>ー仏教の思想1」で、仏教は人間の有限性の不安に向き合った宗教だと書いた。どんなに楽しい時も永遠には続かない。人間は時の流れの…