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こだいらぽんたの「基礎学力」勉強日記

基礎学力(高卒程度)を身につけたい。読書も旅もしたい。フットボールも見たい。

「ローマ教皇を徹底的におちょくるパンタグリュエルと仲間たち」 読書ノート ラブレー著「第四の書ーガルガンチュアとパンタグリュエル4」(108日目)

読書ノート

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ラブレー著「第四の書ーガルガンチュアとパンタグリュエル4」(宮下志朗訳 ちくま文庫

 

パンタグリュエルと仲間たちは「聖なる酒びん」のご神託を授かるべく、「北方インドはカタイの近く」にある聖バクブックの神託所をめざして大航海へと船出する。どうして「聖なる酒びん」のご神託をうかがうことになったのか、その辺は「第三の書」(絶賛品切れ中)に書かれているのかもしれないが、まだ読んでいないので、事情がわからないのが残念だ。

道中、パンタグリュエル一行は、へんてこな民族に次々と出会う。たとえば、殴られることで生計をたてているシカヌー族だ。修道士、高利貸し、弁護士などが、貴族のだれかを痛めつけたいと思ったら、その貴族の元へシカヌー族を派遣する。召喚命令や出頭命令を持って現れたシカヌー族は、相手を思い切り罵倒する。貴族は腹を立てシカヌー族をぶん殴る。シカヌー族は雇い主からは報酬を、貴族からは賠償金をもらうことができ、数か月は金持ちでいられるというわけだ。カトリックプロテスタントの対立が暗示されているという、カレームブルナンとアンドゥーユ族の戦争も目の当たりにする。農業や医学や占星術や数学や、様々な道具や技術を発明し、最後には人間を殺戮する兵器火器までも発明した、技能師範ガステルにも出会う。クジラを「海の悪魔」のごとくみなして戦うところには違和感を持った。16世紀のフランスでは、クジラは船をひっくり返す悪魔だったのだろうか。

ローマ教皇を狂信的に崇拝しているパピマーヌ族の話は面白かった。彼らはローマ教皇を救世主と同一視し、教皇教令集が起こす奇跡をひたすらたたえる。それを聞いて、「そういえば思い当たる節が」とパンタグリュエルの仲間たちは、はたと膝を打つのだ。

「そういえば、『教皇教令集』の紙でお尻を拭いたら切れ痔になった!」

「そういえば、『教皇教令集』で金箔をのばしたら、使いものにならなかった!」

「そういえば、仕立て屋が『教皇教令集』を型紙やパターンに使ったら、この型紙で作った洋服は台無しだったって!」

しかし、ローマ教皇をおちょくっている分には、ラブレー先生は火あぶりにはならないのだ。イギリス国教会カトリック世界から独立したが、フランスでも14世紀頃からフランス国教会の独立を求める「ガリカニスム」という動きがあったという。フランス国教会の盟主であるフランス国王と、ローマ教皇とは、対立・衝突を繰り返していた。世界史を知ればもっと楽しいだろう。

登場人物は相変わらず飲んだくれているし、パニュルジュは2回もうんちをもらしてしまうし、「聖なる酒びん」のご神託もどこへやら、最後は「さあ、飲もうじゃないの!」の掛け声で、まあ、わけのわからぬお決まりの終わり方だ。いや、これでいいのかもしれない。パンタグリュエルは「急に、後ろから引っぱられるような気持ちがしてきたぞ」(P546)と言い出している。おそらく自分の場所に帰るようにという声が聞こえたのだろうから。

 

ところが「第五の書」では、相変わらず「聖なる酒びん」のご神託を求める旅が続くのである。「第四の書」で終わりでいいのではないか?と思うのだが・・・。それもそのはず、「第五の書」はラブレーが書いたかどうかも怪しいらしい。だが、せっかく読んだので次回の読書ノートには残しておくつもりだ。

 

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