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こだいらぽんたの「基礎学力」勉強日記

基礎学力(高卒程度)を身につけたい。読書も旅もしたい。フットボールも見たい。

「自分の居場所はひとつだけじゃない」 麻布中学校(2016年国語)+114日目~117日目(世界史)

読書ノート(中学入試) 勉強日記 世界史

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小学生だって人間関係に悩んでいる。「親友」からの誘いを断ったら、その子は別の子を「親友」にして付き合い始めるかもしれないといった不安。浮いている存在だと思われたくないと、他人の目ばかり気にしている息苦しさ。教室に居場所がないと感じるとき、どう振舞えばいいのだろう。そんなとき、こうすればいいじゃないかというヒントを与えてくれる物語を麻布中学校の国語の先生は入試問題に選んだ。メッセージ性が強いこの物語は、小学生だけでなく人間関係に疲れて生きづらいと感じている大人も勇気づけてくれるはずだ。

麻布中学校(2016年)出典:辻村深月「1992年の秋空」(『家族シアター』講談社所収)

主人公の「私」は小学6年生の女の子だ。いつも人の目を気にして、クラスの中でも浮いた存在にならないように、自分の振る舞いに気を使っている。9月になったら、学級だより『銀河』を書く順番が自分に回ってくるのだが、事務的な連絡事項に徹して、決して悪目立ちしない無難なものにしようと心に誓っている。クラスのことから内容が離れるなんてもってのほかだ。

一方、妹のうみかはマイペースな性格で、人の目など気にしない。風変わりで気が強い。そして何よりも宇宙が大好きで情熱を傾けている。ある日、「うみか」が真剣なまなざしで「私」にお願いをする。9月に毛利衛さんがエンデバーに乗って宇宙に行くので、『6年の科学』に特集記事が組まれるはずだ。今取っている『6年の学習』を、来月から『6年の科学』に変えてくれないか、と。「私」は最初は拒否するものの、うみかのあまりの真剣さに気おされて、仕方なくお母さんに『学習』と『科学』の両方を買ってくれないかと頼む。すると、お母さんはうみかに「じゃあ、がんばらなくちゃね」と告げる。

なんと、うみかは逆上がりができなくて居残りになり、みんなに笑われて泣いていたのだ。このマイペースの妹が、くやしがったり、人目を気にして泣くなんて想像できない。「私」は妹の意外な一面を知って驚くのだった。

これがきっかけで、うみかは毎日、「私」と一緒に逆上がりの特訓をするようになった。妹が素直に「私」のことを必要としてくれるので、「私」も嬉しくなってくる。

そんなある日、「私」は友人のミーナに家に遊びに来ないかと誘われる。ミーナは「親友」だ。「親友」の誘いを断ったら、ミーナは他の子を誘うようになり、次から「私」のことは誘ってくれなくなってしまうかもしれない。うみかのことが気になったが、逆上がりの練習は毎日やるのだから、今日くらい行かなくても大丈夫だろう。「私」は公園には行かず、ミーナの家に遊びに行くのだった。

ところが、ひとりで逆上がりの練習をしていたうみかは、鉄棒から落下して腕を骨折してしまう。自分のせいだと罪悪感に苛まれる「私」に、うみかはぽつりと「私、宇宙飛行士になりたいんだ」と告げる。恥ずかしそうに夢を打ち明ける妹を見て、「私」は涙が止まらなくなってしまう。

結局、うみかの骨折は入院生活で夏休みいっぱいかかってしまうほどの重傷だった。骨が曲がってくっついているために手術をしなければならない。「骨折で手術して、腕にボルトをひとつでも入れたりすると、もうそれだけで宇宙飛行士にはなれないんだって」と言ううみかに「私」は居ても立っても居られなくなってしまう。どうすればいいのだろう。うみかのために、自分は何をしてあげられるのだろう。

そして、「私」はひとつのことを悟るのだ。

病院で聞いたうみかの言葉を思い出す。

   宇宙に行ってるしかない。

痛みには逃げ場がない、と話していた。何をしてても、気がまぎれないって。

   想像するの。自分が宇宙にいるとこ。

そう笑ってた。

ああ、わかったよ、うみか、と心の中で呼びかける。

(中略)

いやなことがあった時、いつも大好きな宇宙のことを思い出して、きっとたえている。だから平気なんだ。クラスでひとりぼっちの時も、逆上がりで残された時も、つらくなかったわけがない。だからきっと、自分の居場所を別に作った。せまい教室や目に見える場所だけをすべてにしなかった。だから、あんなに強いのだ。

この物語のメッセージは、子供だけでなく直接大人にも訴えかけてくる。自分の居場所は「いま、ここ」でなくてもいい。職場で他人が評価してくれなくて惨めな気持ちになったとしても、波長の合わない人がいるためにママ友の付き合いに苦労したとしても、それはそれだ。他の共同体に居場所を求めたってかまわないのだ。サッカーに夢中になってサポーター同士のつながりを深めるもよし、勉強会やサークルに参加するのもよし。いまここにある目に見える世界がすべてとは限らないのだから。

それにしても、小学生向けの物語とはいえ侮りがたしだ。小学生が読んでも無理のないわかりやすい文章で、しかも明確なメッセージが込められているものをよく選び取ってこられるものだと感心する。プロの国語の先生はすごい。

 

◎勉強日記

<世界史>

「青木の世界史B実況中継②」第25回「中世ヨーロッパ史(4)中世各国史カトリック教会」をじっくりと読む。中世イギリス史、中世フランス史、中世ドイツ史、中世イタリア史。この分野は前々からやりたかった。興味があるからというよりは、自分の無知が恥ずかしくて早くなんとかしたかった。「百年戦争」とか「バラ戦争」とか「マグナカルタ」とか「カノッサの屈辱」とか、基礎知識が全くなかったので映画鑑賞や読書に支障をきたすレベルだったのだ。

中でもノルマン朝プランタジネット朝時代のイギリスとフランスの関係がいまひとつわかっていなかったが、「フランス国という”大企業”の重役が、イギリス国という”中小企業”の社長も兼ねる」という青木先生の説明に納得した。

百年戦争でシャルル7世を救ったジャンヌダルクも登場。年末、テレビでやっていたリュック・ベッソンの映画を途中から見たが、ミラ・ジョヴォヴィッチジャンヌダルクははまり役だった。いかにも普通でない感じがよかった。ただ、ダスティンホフマン役の神様だか悪魔だかが「お前は事実を見たのではなく、見たかったことを見ただけだ」とジャンヌにいうセリフには、反論として一言も二言も言いたいことがあるが、映画評はこの辺にしておこう。

教会大分裂大シスマ)にも興味がわく。ローマとアヴィニョン教皇がふたり存在するという、カトリック界の大混乱期だ。以前読んだ「ガルガンチュアとパンタグリュエル」には、アヴィニョンの風紀の乱れ方が半端なかったと書かれていた。もちろん、教会大分裂時代のもっと後になるが。

   ↓

問題集「ツインズ・マスター」19「西ヨーロッパの成立(Ⅱ)」の残り、20「東ヨーロッパ世界の成立」の残り、22「西ヨーロッパ中世世界の変容Ⅰ」の穴埋め問題をすべてやる。なかなかボリュームがある。

 

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