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こだいらぽんたの「基礎学力」勉強日記

基礎学力(高卒程度)を身につけたい。読書も旅もしたい。フットボールも見たい。

「『自我を圧殺し、自己を忘却せよ』という教えは仏教にはない」 読書ノート 増谷文雄・梅原猛著「知恵と慈悲<ブッダ>ー仏教の思想-1」+125日目~126日目(世界史)

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増谷文雄・梅原猛著「知恵と慈悲<ブッダ>ー仏教の思想1」(角川ソフィア文庫

 

どんな宗教も自分の不安や苦しみに向き合ってくれなければ意味がない。自分が生きていくうえで、不安なことや苦しいことを「わかってくれる」教えでなければこれっぽっちも心に響かない。これはキリスト教だろうがイスラーム教だろうが同じだと思う。

「人間の願いは、なによりもまず、移ろわざることである。老いざることであり、病まざることであり、そして死せざることである。常なることを願うがゆえに、人間はその有限性が不安として感ぜられるのである」(143ページ)

生きていくのはつらい。一番つらいのはお金の問題だ。いったいいくらあれば老後は安心して暮らせるのか?それに人間関係もつらい。他人のことを完全に理解することは不可能だから、お互いに分かり合える状態なんてありえない。人間はどこまでいってもひとりぼっちだ。老いるのも嫌だ。容姿が無残に衰えたり体力がなくなったり物覚えが悪くなったり。病はもちろんのこと、死ぬのもつらい。自分が死ぬのも淋しいが、親しかった人々に取り残されていくのはもっとツラい。

じゃあ、どうしたらいいか。私は自分勝手に、仏教の教えとは「欲望を捨てること」そして「自己を捨てること」なのだと思い込んでいた。「自我に固執するから苦しいのです。自分の欲望から離れるために、『忘我の境地』『無私の境地』になりましょう」と、仏教界の偉い人はみんなそう言っているのだと思っていた。

ところが、それはとんでもない誤解だったらしい。「自我を圧殺せよ、自己を忘却せよ」などと仏教は言っていないらしいのだ。むしろ自己の人間形成のために全努力を集中せよ、というのだ。そしてみごとな自己を確立すれば、それこそが得難いよりどころとなるのだと。これがこの本の中で、一番の驚きだった。

ブッダ=ゴータマは欲望そのものを斥けたのではなく、「極端な欲望」を斥けた。また、「極端な苦行」も斥けた。極端なのはよくない。「中道」がいい。やりすぎは良くない。(とはいっても、この世の中は無常なので「中道」といっても固定的一点を示すわけではないのだが)

それではパンチがなさすぎる、と言う人もいそうだが、私はこの地味な教えがわりと好きだ。今生きているこの世界と折り合いをつけることができなければ、どんな教えも意味がないのだから。

この本は難しい仏教用語もていねいに解説してくれているので、仏教初心者の私にもわかりやすかった。第三部の梅原猛仏教の現代的意義」も面白かった。最も第三部はキリスト教について教えられることが多かったが。

仏教の思想シリーズ」は第1巻から第12巻まで。順番に、少しずつ読んでいきたい。

 

◎勉強日記

<世界史>

「青木の世界史B実況中継②」第26回「中世ヨーロッパ文化ーキリスト教神学の展開を中心にー」を読む。文化史の場合、赤字をノートにすべて書くと時間がかかり過ぎて仕方がないので、気になったものだけノートに書く。

この回で一番気になったのは、普遍論争(実在論vs唯名論)だ。普遍的概念は個物に先行して存在するのか、それとも個物が普遍に先行するのか。神は人間の理解の及ばないものなのか、それとも理性によって理解できるものなのか。わかるようなわからないような論争だが、要は「見えない世界」が本当に「ある」のか否かということだろうか?そりゃあるだろう。そういう話ではないのかな?

唯名論の立場に立ったウィリアム=オブ=オッカムは「薔薇の名前」の主人公のモデルだそうだ。本は読んでいないが、映画は見た。薄暗い教会で坊さんたちが一生懸命写本している場面ばかりが頭の中に浮かんでくる。あの暗い感じが中世なのだろうか。教会で次々と起こる殺人事件の謎解きを中心に話が進んでいくのだが、最後のオチがあまりにも古典的でかえってびっくりした。原作はもう少し奥が深いのかもしれないが。

久々にラブレー先生の名前も見かけた。南フランスのモンペリエ大学。この頃はさまざまな大学が登場した。そういえば、教養をひけらかそうとして意味不明のことばかり話そうとする学生を、ラブレー先生は「ガルガンチュアとパンタグリュエル」で散々皮肉っていた。おそらくそんな学生もいたのだろう。現在でも、あまり自分で理解していないことを偉そうに話そうとして、墓穴を掘ってしまう学生はいるのではないだろうか。時代が変わっても、人間はあまり変わらないのだと思うと面白い。

    ↓

問題集「ツインズ・マスター」23「西ヨーロッパの中世文化」の穴埋め問題をやる。資料問題の写真にちらりと見えるピサの斜塔には登ったことがある。けっこう傾いているのを感じた。それにしても、もう少し勉強してからヨーロッパにいくべきだった。もったいないことをした。

 

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