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こだいらぽんたの「基礎学力」勉強日記

基礎学力(高卒程度)を身につけたい。読書も旅もしたい。フットボールも見たい。

「様々なものを失い続けるだけの人間というものを、力強く肯定してくれる物語」 村上春樹著「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」(上・下)+130日目~131日目(化学)

読書ノート 勉強日記 化学

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村上春樹著「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」(上・下)新潮文庫

数日前、読書ノート「知恵と慈悲<ブッダ>ー仏教の思想1」で、仏教は人間の有限性の不安に向き合った宗教だと書いた。どんなに楽しい時も永遠には続かない。人間は時の流れの中で、若さだとか、分かり合えた人だとか、さまざまなものを失い続けていく。そして死んでいく。そう考えると、この世で生きて年を取り続けることはろくでもないことのように思えてしまう。

ところが、こんなろくでもない人間を力強く肯定してくれる小説がある。それが「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」だ。読者も多いだろうから、あらすじは省く。それよりも、一番心を打たれたことがらをここに書いておきたい。それは、失い続けるだけのろくでもない人間というものを、村上春樹が肯定してくれていることだ。

主人公の「私」は「計算士」として働いている。離婚をした。家族はいないし、親しい友だちもいない。普通に仕事をして、普通に家に帰って、酒を飲みながら好きな音楽を聞いたり本を読んだりする日々を過ごしている。ところが「私」は、「老博士」に思考回路をいじられたために、現世での意識をなくし、永遠に死なない世界へと行かなければならない羽目になる。

「私」は憤然として「老博士」に訴える。自分はつまらない人間かもしれない。でもこの世界にいた方が落ち着くのだと。理由はわからないけれど、嫌いなものもたくさんあって、気に入ったものもたくさんあるこの世の中にそれなりに満足していたのだと言い張るのだ。

「いいですか、僕という人間が虫めがねで見なきゃよくわからないような存在であることは自分でも承知しています。昔からそうでした。学校の卒業写真を見ても自分の顔をみつけるのにすごく時間がかかるくらいなんです。家族もいませんから、今僕が消滅したって誰も困りません。友だちもいないから、僕がいなくなっても誰も悲しまないでしょう。それはよくわかります。でも、変な話かもしれないけれど、僕はこの世界にそれなりに満足してもいたんです。・・・(中略)・・・どこにも行きたくない。不死もいりません。年をとっていくのはつらいこともあるけれど、僕だけが年とっていくわけじゃない。みんな同じように年をとっていくんです」(下巻 128~129ページ)

「私」は、自分の失い続ける人生を振り返る。でも何をどうあがいても、結局は同じ場所に戻ってしまう自分を感じている。なぜって、それが自分自身だからだ。

しかしもう一度私が私の人生をやり直せるとしても、やはり私は同じような人生を辿るだろうという気がした。なぜならそれが  その失い続ける人生が  私自身だからだ。私は私自身になる以外に道はないのだ。どれだけ人々が私を見捨て、どれだけ私が人々を見捨て、様々な美しい感情やすぐれた資質や夢が消滅し制限されていったとしても、私は私自身以外の何ものかになることはできないのだ。(下巻 277ページ)

そして、「人はそれを絶望と呼ばねばならないのだろうか?」と続くのだ。自分の自我に見合うような「有益な人生」とやらを送れないことは絶望なのだろうか。年をとり、様々な人と別れ、いつか死んでしまうことは絶望なのだろうか。この場面での問いかけほど胸を熱くするものはない。

もちろん、この小説は様々な読み方ができる。「ハードボイルド・ワンダーランド」に登場する「やみくろ」や「世界の終り」の「影」や「一角獣」の意味するものとか、あれこれ謎解きを始めたら止まらないだろう。ストーリーそのものも面白い。計算士の「私」が、部屋を荒らされたり腹を切られたりと、どんなに理不尽な目にあわされても平然と受け入れてしまうところも好きだ。

好きすぎて語りつくせない。素晴らしい小説だと思う。

 

◎勉強日記

<化学>

「宇宙一わかりやすい高校化学(理論化学)」10-4「金属結晶(六方最密構造)」から10-7「イオン結晶(CsCl型)」までやる。解説を読み、例題があるときはそれを解いてから確認問題をやる。

六方最密構造と面心立方格子の充填率は約74%。構造は同じで、切り取り方が違うだけ・・・ということでいいのだろうか?「フェルマーの最終定理」に出てきたのはケプラー予想だ。面心立方格子は、球体をもっとも密に充填できる。しかし証明がなされていないので「定理」ではなく「予想」に過ぎないとか。他の本で読んだことは、意外と素直に頭に入る。

しかし、イオン結晶にはとまどう。基本的には金属結晶と同じだが、各イオンごとの数を考えなければいけないのが面倒だ。少し違うことがでてくるとすぐにとまどってしまう。イオンがどうしても好きになれないが、仕方ない。

確認問題の計算はまずまずできた。少々面倒くさいが、ゆっくりやればできる。有効数字の出し方に気を付ける。別冊P69(7)の解答は誤植か?「単位格子の体積」→「1つの六角柱の体積」ではないだろうか。ちょっと偉そうに言ってみた。

 

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