こだいらぽんたの「基礎学力」勉強日記

基礎学力(高卒程度)を身につけたい。読書も旅もしたい。フットボールも見たい。

芸術家の基礎体力と『ジャン・クリストフ』

◎1月18日(木)晴れ。あたたかい。

カリフォルニア・ドールズ」の映画レビューをリライトして『こだいらぽんたの読書日記』に載せた。この映画は地方巡業を行っているふたりの女子プロレスラーと老マネージャーの3人の絆がキモなのに、そんなのそっちのけで、つい彼女たちの「基礎体力」の高さに気持ちが向かってしまった。ショービジネスの不健全さに立ち向かうにはそれに負けないだけの体力が必要だな、と。

 

「基礎体力」のことが頭から離れなかったのは、ロマン・ローラン著『ジャン・クリストフ』のことをどこかで考えていたからだ。ジャン・クリストフはドイツ生まれの作曲家だ。傑出した才能があるにもかかわらず、彼の性格にクセがあり、周囲の空気が読めない。自分にとっての「ほんとうのこと」以外には興味がなく、思ったこと感じたことを遠慮なく口に出してしまう。かなり怒りっぽいので、周囲の人間と衝突してばかりだ。いかにも生きづらそうな性格なのだ。

ところがクリストフは天寿を全うするまで作曲を続ける。続けることができる。周囲からの悪意にさらされたり、分かり合えた友人とや恋人と死別したり、多くの困難が彼を襲ったが、彼は生き続けることができた。頑健な肉体があったからだ。実際、小説では何度もクリストフの頑丈な肉体について言及している。辛くて悲しくて死んでしまいたいと思っても、身体が丈夫なので簡単に倒れたりしないのだ。感情な肉体に支えられ、才能も枯れることはない。クリストフは死ぬまで作曲をし続けることになる。

 

自分の奥底をみつめて創作活動を続ける芸術家の仕事は、とてもしんどいと思う。とても不健全な仕事だとも思う。自分の毒素にあてられて、自殺したくなったり、麻薬に逃げたくなったりするかもしれない。『ジャン・クリストフ』でも、才能があるにも関わらず生命力がないために、作品が書けなくなってしまう詩人が出てくる。創作活動は命がけの作業なので、文字通りの「基礎体力」がないとかなりツラい。

ロックミュージシャンでも小説家でも、年齢を重ねても長く創作活動を続けられる人は、それなりの頑強な肉体の持ち主なのではないか。『ジャン・クリストフ』を読んだ感想としてそんなふうに考えてみた。

 

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