見ておいて損はない名作映画100選
実はこの映画は劇場で見たことがある。ところが、映画の覚え書きはつけていなかったので、断片的にしか覚えていない。今回、DVDで見直して驚いた。こんなに素晴らしい映画だったっけ?私は何を見ていたんだろう。
3作目。
イン・ディス・ワールド
(1998/イギリス)
IN THIS WORLD
出演:ジャマール・ウディン・トラビ/エナヤトゥーラ・ジュマディン
本作は、アフガニスタン難民のふたりの若者がパキスタン難民キャンプからロンドンに亡命を試みるという話だ。監督自ら脚本家とともに取材旅行をし、難民たちから聞いた実話を所々にちりばめて、ドキュメンタリータッチで撮っている。主人公ジャマール目線で撮っているので、自分が実際に危険で過酷な体験をしているかのような気になる。
亡命するにはどうしたらいいか。この映画で初めて知った。
まずブローカーにカネを払う。→いわゆる”運び屋”が登場。トラックの荷台にでも乗せて、どこかに運んでくれる。→降ろされた場所で”運び屋”から教えてもらった電話番号に電話する。→別の”運び屋”が登場して、どこかに運んでくれる。→降ろされた場所で、教えてもらった電話番号に電話する。→以下、繰り返し。どこに連れていかれるかわからないし、パキスタンから離れるにつれて言葉が通じなくなってくるし、不安感がどんどん募ってくる。
だが、イヤなことばかりではない。アフガン難民の彼らに同情して、力になろうとしてくれる人々もいる。助けてくれるのは、いつだってどこだって、イスラームの同胞たちだ。イランの山岳地帯の家庭で彼らの無事を祈ってくれた老婆たちの姿には胸が熱くなる。その後真っ暗闇の悪天候の中、トルコに入国するために山越えをするジャマールたちには息が詰まったが。
詳しいレビューは後日『こだいらぽんたの読書日記』にあげる予定だ。