こだいらぽんたの「基礎学力」勉強日記

基礎学力(高卒程度)を身につけたい。読書も旅もしたい。フットボールも見たい。

自分がいいと思う、好きなものに忠実であれ。荒木飛呂彦著『荒木飛呂彦の漫画術』(集英社新書)

◎2019年10月12日(土)台風。大雨。

ここのところずっと仕事をしているか、実家の父親の入院先の病院に行くかの生活をしていたので、家でのんびり過ごすのは久しぶりだ。病院でお世話になっている看護師さんたちには本当に頭が下がる。台風でも安心して家族を任せられるってどんなにありがたいことか。

昨日は本屋さんに行って『サピエンス全史』の続編『ホモ・デウス』(上・下)を買ってきた。どこにも出かける予定はないから、ゆっくり読もう。楽しみだ。

 

「最近読んだ本」の続き。

荒木飛呂彦著『荒木飛呂彦の漫画術』(集英社新書

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漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の作者である荒木飛呂彦氏が「漫画の描き方」の秘密を惜しげもなく明かしてくれる。だが、本書は漫画家志望でない読者にとっても実に面白い。荒木氏の解説は、小説や映画を読み解くときにも十分応用できるからだ。

漫画で重要な基本構造は4つ。重要な順にあげていくとこうなる。

1.キャラクター 2.ストーリー 3.世界観 4.テーマ

時代を超えて読み継がれる王道漫画は、この4つのバランスがとてもいい。どれかひとつが突出している作品は何かしらの限界があるという。

特に興味深いのがキャラクター作りだ。「キャラクターを作れ」と言われたら、普通は「性格を考えなくちゃ」と考えがちだが、性格よりも大切なことがある。それは「何をしたい人なのか」ということだ。家族や恋人や友人を守りたいのか、犯罪の証拠隠しをしたいのか、好奇心を満足させたいのか、それがはっきりしていることが一番大切なのだそうだ。

キャラクターを作る時に荒木氏は「身上調査書」なるものを作るそうだが、その項目は60項目以上に及ぶ。家族関係だとか、何に恐怖を覚えるかとか、将来の夢だとか、尊敬する人は誰かとか、ものすごく細かい。「いったいこの人、どういう人なの?」と読者に質問されるようなぼんやりしたキャラクターではダメだ。たとえ謎めいたところがあっても、作者だけは頭ではっきりとキャラクターを理解している必要がある。『ジョジョ』第三部の主人公・空条承太郎のモデルはクリント・イーストウッドだとか。荒木氏のイーストウッド熱はそこかしこに出ていて、どれだけ好きなんだろうとニヤニヤしてしまう。

それにしても驚くのは荒木氏が本をよく読み、映画をよく観ているということだ。名作といわれる漫画もよく読んでいる。そして、それらの作品のどこがいいのか(または悪いのか)をはっきり言語化できる。何が好きで何が嫌いなのかもはっきりしている。だから言葉がぼんやりしていない。とてもわかりやすい。

読者のために描く作品は読まれない。読者に読んでもらいたかったら、読者のために描くのではなく、自分のために描く作品でなければならない。逆説的なようだが、この辺も荒木氏が強調している部分だ。

「テーマ」を決めるときに絶対やってはいけないのは、自分ではたいして興味がないのに、世間に合わせて「テーマ」を設定するやり方でです。(中略)

自分が興味を持っていて、自分の心の深いところや人生に関わるものであれば、それが仮に暗いテーマで売れそうにないと思えたとしても、やはりそれを描こうと決意すべきだと考えます。ヒットするかどうかに重要なのは、必ずしも売れそうな「テーマ」ではありません。自分が「これだ」と思うテーマならどんな「テーマ」であっても、作者自身の心を打つ「キャラクター」や「ストーリー」にのせていけば、絶対におもしろい作品となって、読者に受け入れられるはずです。「漫画家になりたい」という人は、自分がよいと思うものを信じ、漫画の王道に向かって、ひたすらに歩んでいってほしいのです。(P223-224)

 もちろん最低限の絵のテクニックも重要だ。新人漫画家の作品審査をするとき、ガンマンが出てくる作品なのに銃が変だったりすると「嫌だなあ」と思ってしまうそうだ。モデルガンを、外から見るだけではわからないので「実際に分解して内部を見るといい」とのこと。漫画家は探究心の塊だ。

 

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