こだいらぽんたの「基礎学力」勉強日記

基礎学力(高卒程度)を身につけたい。読書も旅もしたい。フットボールも見たい。

最後はホラー。ものすごく怖かった。/ポン・ジュノ監督『パラサイトー半地下の家族ー』

◎2020年2月17日(月)晴れ。

先週の土曜日、久々に映画館で映画を見た。アカデミー作品賞を取った韓国映画『パラサイトー半地下の家族ー』だ。初めは「格差社会への批判がテーマのコメディ映画なのかな」と思って見ていたら、「格差社会への批判」なんて生やさしい映画ではなかった。最後はホラーだ。ものすごく怖かった。

半地下のアパートに住むキム一家4人が、身分を偽ってIT企業CEOであるパク氏の豪邸で雇われることから話は始まる。父は社長のお抱え運転手、母は家政婦、息子はパク氏の娘の家庭教師、娘はパク氏の息子の芸術療法士として。雇われた経緯はともかく、彼らは実力があるので、仕事はばっちりこなしてしまう。

ところがある日、前の家政婦が「忘れ物」を取りに豪邸にやってきたところから物語がホラーの方向へと動き出す。前の家政婦はこの屋敷の地下室に夫を住まわせていたのだ。上流階級の家族、半地下の家族、地下室の家族。この3つは絶望的なほど交わらない。理解しようと努力する「ふり」はできるけれど、決して交わることはない。

例えば、キム一家にグルグル巻きに縛られた地下室の男が懸命にモールス信号で「タスケテ」と外の「誰か」に向かって送るシーンがある。このモールス信号を読み取ったのがパク氏の幼い息子なのだが、息子はゲームのようにメッセージを読み取っただけで両親に何も伝えることなくほったらかしてしまう。地下室からいくら助けを呼んでも伝わらないのだ。気づいてはいるけど自分とは違う世界のことだから伝わらない。

冒頭の半地下家族のキム一家がピザ屋の箱を組み立てる内職をしているシーンも印象的だ。箱を組み立てている最中に、業者が道路で撒いている殺虫剤が家の中に入ってくるのだが、父親は「家の中のゴキブリが死ぬから窓は開けっぱなしにしておこう」なんてのんきなことを言っている。低賃金で雇われギリギリの生活をしている彼らに、ピザの箱に殺虫剤がかかったら困るという考えが浮かぶはずがない。ピザを食べる客の顔が見えないからだ。こういうディテールを見ても、社会の何もかもが絶望的なほどバラバラなのだ。

しかしこの状況をほったらかしておくと、この映画のようにとんでもないグロテスクな結末を招いてしまう。バラバラなままだといつかは爆発する。

『パラサイト』のポスターは登場人物に目隠しがされている。互いの個人の顔が全く見えないのだ。このポスターひとつ取っても、ひやりとする怖さが伝わってくる映画だと思った。

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 パラサイトー半地下の家族ー( 기생충/2019年/韓国)

監督:ポン・ジュノ

出演:ソン・ガンホ/イ・ソンギュン/チョ・ヨジョン/チェ・ウシク/パク・ソダム

 

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