こだいらぽんたの「基礎学力」勉強日記

基礎学力(高卒程度)を身につけたい。読書も旅もしたい。フットボールも見たい。

読書ノート 佐藤優・香山リカ著『不条理を生きるチカラーコロナ禍が気づかせた幻想の社会ー』(ビジネス社)

◎2020年7月20日(月)晴れ。

佐藤優香山リカ著『不条理を生きるチカラーコロナ禍が気づかせた幻想の社会ー』(ビジネス社)

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コロナ渦にある日本の危機的状況を乗り切るには、どのような思想が必要か。少なくとも価値相対主義的なポストモダニズムの思想は何の力も持たないのではないか、という問題提起のもとに行われた対談本だ。

もっとも、私は「ポストモダニズムって何?浅田彰とか読んだことないんですが」といったレベルなのだが、そんな初心者にもわかりやすかった。(バブル世代なので、大学時代にしっかり勉強していれば、「初心者です!」みたいなことにはならないのだが……本当に恥ずかしい)

ポストモダンは不条理とは向き合わない。対立構造から離れ、自分を土俵の外に置いて「どっちもどっち」と冷笑的に眺め、自分の立場は保留する。その流れは現在にまで続いている。そんなポストモダンの時代を克服しない限り、不条理と向き合う姿勢は出てこない。

究極において人間は不条理であり、不合理なものであるけれども、そこにいきなり飛んではいけないから、ぎりぎりのところまで合理性や条理の世界を追求しなければならない。結果は不条理でも、最善を尽くさなければならない。

ところが、ぎりぎりまで思考することを放棄して、「これが絶対に正しい」(この「絶対に」は相対主義的な「絶対」であり、その局面においての「絶対」)と最初から飛んでしまい、その位置でポジショントークを始めてしまう人がいる。あの著名人もこの著名人もそうだよね、と指摘されるとなるほどと思ってしまう。

 一方、私の大好きな村上春樹は、真っ向から不条理と向き合っている作家として取り上げられている。悪という不条理をどんなに相対的に見ようとしても、目をつぶって「ない」ものと扱おうとしても、悪は実在する。悪のリアリティー村上春樹のテーマだ。

騎士団長殺し』は南京事件に言及しているため、作家の百田尚樹ツイッターで攻撃されたそうだ。この件に関しては知らなかった。

「僕も小説の中で『日本軍は南京大虐殺をした!』と書けば、中国で本が売れるようになるかな」「中国で本を売りたいのか、あるいは中国の後押しでノーベル賞が欲しいのか、それとも単なるバカか。」って、反論するにしてもスゴい言い方なんだが…。ちょっと驚いた。

 『不条理を生きるチカラ』は思想の話だけでなく、今の世の中に起きている具体的な事柄をふたりがどう見ているのかわかりやすく書かれている。コロナ禍の現状を読み解くキーワードのひとつが「優生思想の台頭」だ。本書を読めばわかるが、この罠には誰もがハマってしまう恐れがある。この件に無自覚でいてはいけないと思った。

 

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